鏡餅は呪術的な道具!?
 「年をとる」とは、生まれ変わること
「年をとる。」今の時代は案外ネガティブな言葉だ。
しかし、昔は意味が違った。「年をとる」とは、生まれ変わることだったのだ。
お正月には、年神様が遠くからやってくる。年神様は何のためにやってくるのか?
それは、全ての人やものに年をとらせるためである。年神様は新しい生命を与えてくれるのだ。
その年神様の霊力を移しとる道具が鏡餅なのである。この鏡餅を供え、そのお餅を食べることによって、僕たちは新しい生命を年神様に頂くのである。
生活に必要なもの、重要なものなど、いたるところに鏡餅を置いた。古い農家では、台所の隅に鏡餅を置いて、ねずみにちゃんと年をとらせてあげるらしい。
現在は餅が主体になり、鏡餅と読んでいるが、平安時代のころまで、鏡が主体で、源氏物語には、餅鏡と書かれている。また、餅鏡のことを正月様とも書いている。古代の人は、白くて丸いものに霊が移ると考えていた。移るから鏡というのだ。
つまり、鏡餅は日本古来から現代に続く呪術的な道具なのである。
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