どら焼きと一升餅が大人気。
どら焼きの末廣屋喜一郎〜井の頭和菓子処 末廣屋喜一郎 2002年度三鷹市商店コンクールIT部門優秀賞受賞

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道 明 寺

末廣屋喜一郎&伝統の和菓子文化普及委員会

2004/4/24

職人が作った道明寺

関西では「さくら餅」といえば、この道明寺桜餅を指します。
関東では焼皮のさくら餅と区別して、「道明寺」と言います。

▼▽▼ 詳しいお話はこちら ▼▽▼
ネタになる和菓子のお話〜桜餅は2種類ある? 〜関東VS関西〜

 

■ 材料(15個分)

  ・もち米     1合(150g)
  ・砂糖(上白糖)     65g
  ・水          150g
  ・こしあん   300〜400g
  ・色粉(赤)        適量

 (砂糖蜜として)
  ・砂糖     50g
  ・水     100g

  ・桜の葉の塩漬け 15枚(水にさらし、塩を抜いておく)

  ※もち米は、一晩水につけておき、充分吸水させます。
  ※もち米を砕かずに道明寺粉を使ってもよいです。


※道明寺粉を使うので「道明寺」という名がついたのですが、今回職人!喜一郎が紹介するレシピは、道明寺粉ではなく、もち米を使います。


■ つくり方

もち米は一晩水につけておき、充分吸水させます

1-1. もち米は一晩水につけておき、充分吸水させます

※指でつぶしてみて、ポロっと砕けて粉になったらOK

吸水させたもち米を布巾に広げます

2-1. 吸水させたもち米を布巾に広げます

もち米を包み、すりこぎなどで叩いて米を砕きます

2-2. もち米を包み、すりこぎなどで叩いて米を砕きます

さらに、こねるようにして揉みます

3-1. さらに、こねるようにして揉みます

※この作業を「でちる」といいます

(^^)ちょっと調べてみたら、「でっちる」という方が一般的なようです。方言なのかな?

※手前から奥に、ぎゅっと転がすようにしてでちります

米粒の大きさは、1/2から1/4くらいがよいでしょう

3-2. 米粒の大きさは、1/2から1/4くらいがよいでしょう

枠に布巾を敷き、砕いたもち米をあけて平らにならし、約30分強火で蒸します

4-1. 枠に布巾を敷き、砕いたもち米をあけて平らにならし、約30分強火で蒸します

砂糖と水を合わせます

もち米を蒸している間に、蜜とあん玉を作ります

5-1. 砂糖と水を合わせます

色粉を入れて、火にかけて軽く沸騰させます

5-2. 色粉を入れて、火にかけて軽く沸騰させます

こしあんを、25gくらいずつ丸めます (大きさはお好みで)

6-1. こしあんを、25gくらいずつ丸めます (大きさはお好みで)

※周りの生地が水っぽいのでやや固めに

職人のアドバイス

(^^)こうやって並べると、数が数えやすいんですって!!アヤは何回聞いても覚えられません…(汗)

 (食べてみて芯がなければOK)

※4-1.のもち米が蒸しあがりました (食べてみて芯がなければOK)

軽く沸騰している蜜に蒸しあがったもち米を入れます

7-1. 軽く沸騰している蜜に蒸しあがったもち米を入れます

軽く混ぜてなじませたら火を止めます

7-2. 軽く混ぜてなじませたら火を止めます

(^^)この時点では、水分びしゃびしゃです

濡れ布巾をかぶせて10〜15分蒸らし、もち米に蜜を吸わせます

7-3. 濡れ布巾をかぶせて10〜15分蒸らし、もち米に蜜を吸わせます

※濡れ布巾は表面の乾燥を防ぐためです

「艶天(つやてん)」を溶かして手蜜を作ります

8-1. 「艶天(つやてん)」を溶かして手蜜を作ります

職人のアドバイス

※艶天は家庭用に少しだけ作るのは難しいので、砂糖蜜を作ってください

びしゃびしゃだった水分は染み出てきません。

※7-2.が蜜を吸うと、こんな風にぼってりしてきます。びしゃびしゃだった水分は染み出てきません。

(^^)これが道明寺餅です!

軽く絞った濡れ布巾に取り、約30gずつに分けます。

9-1. 7-2.のもち米が充分に蜜を吸ったら、軽く絞った濡れ布巾に取り、約30gずつに分けます。

手蜜を手のひらに取り、道明寺餅を手のひらでたたいて平らに広げます

道明寺餅であん玉を包みます

10-1. 手蜜を手のひらに取り、道明寺餅を手のひらでたたいて平らに広げます

 

あん玉を乗せます

10-2. あん玉を乗せます


(^^)指の付け根の辺りにくぼみを作って乗せると扱いやすいです

親指・人差し指・中指を使って時計回りにくるくる回しながら周りのお餅を少しずつ上方向へ伸ばし、綴じ目を閉じます

10-3. 親指・人差し指・中指を使って時計回りにくるくる回しながら周りのお餅を少しずつ上方向へ伸ばし、綴じ目を閉じます

※上方向へ伸ばすのは親指の役目です

手のひらで軽く転がし、俵型に整えます

10-4. 手のひらで軽く転がし、俵型に整えます

塩抜きした桜の葉を巻きます

10-5. 塩抜きした桜の葉を巻きます

※葉からはみ出している茎はとります

道明寺。こんなに出来ました。
☆☆☆ 出来上がり ☆☆☆

和菓子職人!喜一郎職人のアドバイス 〜あんこの固さを調整する〜

▼あんこをやわらかくする
砂糖と、水を少し入れて、中火で練り直します。
あんこをやわらかくするのは、水ではなくて砂糖です。水を入れるのは、中火でプツプツいわせながら練り直すためです。
水が多すぎると、あんこが冷めたときに、べしゃっと水分が出てきてしまうので、入れすぎたと思ったらよく火を通して練り上げるなど、気をつけてください。

▼あんこを固くする
やはり中火にかけて練り直します。
「水分を飛ばす」というより、「練り直す」作業で、火取る(ひどる)といいます。こうして出来た餡のことを、「火取り餡」といいます。
【裏技!?】
あんこを丸めてからラップをせずに冷蔵庫に入れておくと、しまって固くなり扱いやすくなります。


和菓子職人!喜一郎職人のアドバイス 〜艶天(つやてん)〜

和菓子屋さんでは、お菓子に艶をつけたり乾燥を防いだりするために、寒天を溶かして砂糖を混ぜ、艶天(つやてん)を作っておきます。(寒天1本、砂糖 350g、水 900g)
これを少しずつ取ってさらにうすめ、手蜜にしたりハケを使ってお菓子に塗ったりして使います。

うすめても冷めるとすぐ固まってしまうため、使うときは温めた状態にしておく必要があります。手蜜の場合、湯煎だと熱すぎるので、ひとまわり小さめのボウルにお湯を沸かし、その上に重ねて置くことで、蒸気煎にすると扱いやすいです。

※ご家庭用に少しだけ作るのは難しいので、砂糖蜜で代用してください。



いかがでしたか?是非みなさんもお試しいただいて感想をお聞かせくださいね。出来上がった作品(?)の写真も大歓迎です。

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