餅なし正月
餅なし正月という言葉があります。
言葉があるということは、餅なし正月を行う家があるということです。つまり、「掟(おきて)」により禁止しているのです!
餅なし正月は、家、一族、集落で伝承されます。従って、同じ地域でも、餅あり正月の家と餅なし正月の家が入り交じるところもあるのです。
「餅なし」の理由は、「お正月に餅を搗いたり食べたりすると、火事になる、人が死ぬ、先祖が苦労した、餅が赤く血に染まる」など伝説的な理由または、先祖の苦労話で伝えられているのが多く、家によって違ったりするようです。
つまり、「夜口笛を吹くと蛇がでる!」と言うようなものでしょうか?(いや、きっと違うでしょう…笑)。ちなみに、この「言い伝え?」も家によって違っていて、私の友人の家では、「夜口笛を吹くと流しの下からおばけが出る!」と親から教えてもらっていたようです。
話がそれてしまいました!元に戻します。
さて、餅なし正月とは、どういうものでしょうか?
さて、餅なし正月とは、どういうものでしょうか?
簡単に言うと、餅を「搗かない、食べない、供えない」この3つの行動の組み合わせである。家によって組み合わせは異なり、餅を禁止している期間も異なります。
餅の代用品としては、芋やうどん、そば、お米などがあります。芋が代用品として使われるところは、餅正月に対して、芋正月などと呼ばれることもあります。つまり、餅なし正月は、ハレの日であるお正月を否定しているのではないのです。
餅なし正月については、色々な説がありますが、その中で有名なものが、正月3が日の間は、お餅は神様に供えるものだから、食べないという考えから来ているという説です。
また、古代の日本のお正月の複合性の名残りだとも言われます。日本が稲作単一文化として成長していく過程で、正月=餅という図式への抵抗みたいなものでしょうか。
餅なし正月の理由も、「神様をとても崇拝しているから!」と言う理由と、「みんなと同じお正月なんていやだ!」と言うような理由といろんな説があるのです。
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