『お土産を買わないと不安になるのはなぜ?』
日本人はとりわけお土産(みやげ)が大好きですよね。
お土産をもらうのはもちろんですが、お土産を買うことが好きな人、なんと多いことでしょう!しかし、それは仕方が無いことなんです。
えっ、なぜかって?
それは、日本民族の深層心理に深く刻み込まれているからなんですよ!
実は、『お土産を買うという習慣』は、1000年以上前からあるものです。もう、すっかり日本民族の深層心理に深く刻み込まれているのですね。つまり、お土産を買うと「安心」し、お土産を買わないと「不安」なのです。
漢字で、「みやげ」を「土産」と書くために、土地の名産品だと思われがちなのですが、もともとは、宮笥(みやげ)でした。宮笥(みやげ)とは、神札(おふだ)を板に貼ったものだったのです。
笥(け)とは容器のことで、神霊、つまり神様の霊力を入れるのが宮笥なんですね。
古代の日本人は、「村の外には、邪気悪霊がうようよいる」と考えていました。だから、伊勢参りなどのお宮参りは、村の中でも一番勇気の有る男が選ばれて、「村の代表」として出かけたのです。出発するときは、水杯(みずさかずき)を交わしたというくらい決死隊だったのです。
村人は、この男に賽銭を渡し、自分の祈願を頼みました。
これが、餞別の風習の始まりですね。
神社にたどり着いたその代表は、その餞別で、村人みんなの分の宮笥を買って帰りました。これが、土産の風習の始まりなのです。
土地の物産品が寺社の門前に並ぶのは、この風習に便乗したためだったのです。
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